Mar 12, 2010
甲府で春を感じて
今、山梨県立博物館で「世界遺産 アンコールワット展」が開催されています。今日は甲府善光寺さんを回って、それからこれを見に行くことにしました。
甲府善光寺さんは娘の中学・高校の直ぐ近く。6年間で何度前を通りかかったことでしょう。それでも一度も入ったことがないのです。駐車所をで車を降りると良い梅の香り。辺りを見回しても梅の木が見あたりません。あっ、小さなしだれ梅がピンクの花を付けています。あのお花がここまで良い香りを放していたのですね。う〜〜はる〜〜。
甲府善光寺さんは信州善光寺さんに比べたら可愛そうですが、山門も本堂もなかなか立派です。完成した当初は信濃善光寺さんとほぼ同じ大きさだったそうですが、火事で焼失し1786年に再建されたそうです。ここは武田信玄が川中島の合戦で善光寺に戦火が及ぶ事を懸念して、自分の領国である甲斐へ本尊などを移したといわれています。その
後、御本尊は織田・徳川・豊臣氏を転々として信濃善光寺さんにお戻りになったそうです。今でも残る「引きづりの鐘」はその時から信濃に戻していないものだそうです。
何度か信濃善光寺さんはお参りしていますが、お膝元もお参りして何故か気持ちがすっきり。
ここも色々な仕掛けがあり、拝観料を払って中に入っても楽しいです。「鳴き龍」は足形のついているところに立って手を叩くと巨大な龍が二匹描かれている天井が大きく響き渡ります。この部分のみは、吊り天井となっており、手をたたくと多重反響現象による共鳴が起こるようになっているそうです。ここの鳴き龍は日本一の規模です。誰もいないので何度も何度も手を叩きました。本当は中の写真は撮ってはいけなかたようですが、自分たちを撮っていたのでお寺のかたもないも言わずに許してくれたようです。
その後は本堂の裏に回って「お戒壇回り」を体験。本当に何も見えない真っ暗闇の階段を下ります。手探りで壁づたいに「心」の字回廊を回って、「鍵」に触れることが出来ると良いことがあるというものです。ちゃんと鍵にも触れてきました。
善光寺さんで見つけた「気は長く つとめはかたく 色うすく 食細うして 心ひろかれ」天海天僧正の御歌です。諸処に心痛みます。心に書き留めて置きます。
アンコールワット展はまた後で。
山梨県立博物館で開催されている 『世界遺産 アンコールワット展』に行ってきました。12世紀前半に30年の歳月をかけて建立したとありますが、えっ、たった30年でこれだけのものをと思います。と言っても私はアンコールに行ったことはありませんが、ここにある模型や、映像等で見るアンコールワットを思い描いてのことです。今ここにはプノンペン国立博物館所蔵の、マスターピース(国家重要作品)を含むアンコール美術を代表する作品や、上智大学によって近年バンデアイ・クデイ遺跡で発掘され、アンコール王朝の歴史を塗り替えた「世紀の大発見」として名高い仏像の数々が展示されているようです。音声案内を借りてゆっくりと見て回りました。
アンコールワットは王都の変還による放置、ヒンドゥー教寺院から仏教寺院へと改修、カンボジアの内戦など、いくつもの難をくぐり抜けているだけに、展示されているものも完全な姿で残っているもは少ないです。でもどの像も目を伏せ、豊かな唇はゆったりとした笑みをたたえ、地深く埋められ、また瓦礫の影に身を潜め悠久の時を経てきたのかと思うと、この瞑想する仏の表情の美しさに感動を覚えます。
また上半身に衣を纏わない姿も、人間身味れる曲線とたおやかさがあり魅力的です。
タイのピーマイ遺跡はタイのアンコールワット言われているクメール遺跡で、同じ頃で出来たものだと思います。タイを旅したときに行きました。「ジャヤヴァルマン7世の尊顔」や「七つ頭のナーガに見守られた像」など似たものがありましたが、今その時の記憶を辿り、写真を見返してもピーマイ遺跡のものはもっと荒削りだたように思います。保存状態、修復の仕方によって違うのかも知れませんが、アンコールワットのものは、その精巧さを見ると、本当に高い文化を持っていたことを感じます。
タイ ピーマイ遺跡とここに置かれている七頭の"naga"に守られている仏像
山梨 アンコールワット展 は3月22日までです。お時間があったら行ってみてください。