八ヶ岳 「ペンションあるびおん」の日々 : アンコールワット展

Mar 12, 2010

アンコールワット展

 山梨県立博物館で開催されている 『世界遺産 アンコールワット展』に行ってきました。12世紀前半に30年の歳月をかけて建立したとありますが、えっ、たった30年でこれだけのものをと思います。と言っても私はアンコールに行ったことはありませんが、ここにある模型や、映像等で見るアンコールワットを思い描いてのことです。今ここにはプノンペン国立博物館所蔵の、マスターピース(国家重要作品)を含むアンコール美術を代表する作品や、上智大学によって近年バンデアイ・クデイ遺跡で発掘され、アンコール王朝の歴史を塗り替えた「世紀の大発見」として名高い仏像の数々が展示されているようです。音声案内を借りてゆっくりと見て回りました。
アンコールワットは王都の変還による放置、ヒンドゥー教寺院から仏教寺院へと改修、カンボジアの内戦など、いくつもの難をくぐり抜けているだけに、展示されているものも完全な姿で残っているもは少ないです。でもどの像も目を伏せ、豊かな唇はゆったりとした笑みをたたえ、地深く埋められ、また瓦礫の影に身を潜め悠久の時を経てきたのかと思うと、この瞑想する仏の表情の美しさに感動を覚えます。
また上半身に衣を纏わない姿も、人間身味れる曲線とたおやかさがあり魅力的です。
 タイのピーマイ遺跡はタイのアンコールワット言われているクメール遺跡で、同じ頃で出来たものだと思います。タイを旅したときに行きました。「ジャヤヴァルマン7世の尊顔」や「七つ頭のナーガに見守られた像」など似たものがありましたが、今その時の記憶を辿り、写真を見返してもピーマイ遺跡のものはもっと荒削りだたように思います。保存状態、修復の仕方によって違うのかも知れませんが、アンコールワットのものは、その精巧さを見ると、本当に高い文化を持っていたことを感じます。

   タイ ピーマイ遺跡とここに置かれている七頭の"naga"に守られている仏像    

山梨 アンコールワット展 は3月22日までです。お時間があったら行ってみてください。