八ヶ岳 「ペンションあるびおん」の日々 : 過去ログ : 2010-03-09

Mar 09, 2010

東京行きの顛末

 今日は主人と二人で東京に出ました。どうしても今日でなければならない用で、いつもは特急「あずさ」ですが、もっと早くに出かけたかったので今日は高速バスにしました。夜は雪との予報でしたから、帰りに歩かなくていいように下りのバス停に車を置いていざ東京へ。
 東京もみぞれ交じりの冷たい雨で、用事が終わってもどこかへ行く気にもならず、帰りの予約したバスまで映画を見て時間をつぶすことに。折角大きな劇場で観るならと「アバター」を見て、夕食を済ませて19時20分発、21時小淵沢着の高速バスに乗り込みました。一応その時に「雪で到着が遅れるかも知れません」との放送はあったのですが、別に今日中に着けば・・・と言う気持ちでそのままバスで帰ってきました。大夫遅れ、最終休憩所の双葉に着いたときに「この先通行止めになりましたので須玉で一般道におります」とのアナウンス。細かい雪が燦々と降り、高速道路と思えないほど雪が積もっています。須玉から141号線に降りるのも1時間ほどかかり、更に渋滞の中を横道に入って国道20号線・武川にバスは向かいます。今にも止まりそうなトラックや、フラフラスリップしている乗用車。立ち往生して道や交差点の真ん中でチェーンを巻く車、路肩に放置してしまった車。時には何十分も停車したままで全く動かず、やっと動いても数十mだったりで、20号の武川に出たのがもう24時に近い時間でした。もうこの状態では小淵沢の方へバスは登ることなど出来ません。このまま国道を走り続けて諏訪まで行くので、家族の方がお迎えに来るのなら何処でも止まりますとアナウンスがあります。えーー我が家は二人で来ていますし、小淵沢は国道から2,300mは標高差があります。タクシーに電話をしたらもう車体のお腹をすっているから、ここから白州まで下っても戻れないと言われ、デリカを持っている月下草舎さんに電話をしたら、快くお迎えに来てくれるとの返事。でもそれから30分たっても一向に武川から車が進みません。これではいつ白州に着くかも分からず、そのうちにバス会社の人が蔦木宿に乗用車で来ていて、小淵沢・富士見へと送ってもらえるとアナウンスがありました。月下草舎さんは今にも家を飛び出して、ここまでもお迎えに来てくれそうでしたが、そんなことしたら渋滞にはまってしまうので、私たちは蔦木宿まで行くのでもう休んでもらいました。でも本当に心強かったです。仲間のありがたさをしみじみ感じました。感謝。
あまりに動かないのでウトウトして、起こされたら蔦木宿でしたが、何と朝の7時過ぎでした。武川から蔦木まで7時間かかっていたのです。バスに乗ってからは12時間が過ぎていました。バスから降りるときに、若い乗務員さんが疲れ切ってヘロヘロの目をして「大変ご迷惑をお掛けしました」と深々と頭を下げるのですが、これは雪のせいで仕方のないこと。それよりこれから先、まだ沢山のお客さんを乗せて無事諏訪まで行って欲しいと励ましました。ほぼ満席のお客さんを乗せて、12時間も緊張して走っていたらどんなにか疲れただろうと思います。
 そこからは待っていた乗用車に乗って、上り車線は全く動いていないので、ノロノロでも動いている下り車線で富士見まで行き、遠回りして小淵沢のバス停に送ってもらいました。小淵沢や富士見の人が乗っていると気づき、早めに諏訪から来て何時間も蔦木宿で待っていてくれた運諏訪バスの社員の方にも感謝です。仕事として当たり前の事なのかも知れませんが、諏訪を出るのが遅くてここまでたどり着いていなければ、私たちは諏訪まで行く覚悟でしたから。
こうして我が車まではたどり着いたものの、エルグランドが50cm以上の雪に埋もれています。スコップも何もありません。主人が手で雪をかき、私がウィンドウを拭きます。やれやれ出られると思ったら除雪車が来て、除雪した雪がまたうずたかく出口を塞いでしまいました。これは重たくて手では無理です。慌てて伴走車の人に助けを求め開けてもらいました。更に家に着くと庭も駐車場も除雪した雪でふさがれています。玄関の階段の影も形も消えるほど雪が積もっています。手探り足探りで家に入り、長靴を履いて除雪です。すべてが終わって家の中に入ったのは9時をとうに回っていました。除雪の合間に、あるだけの色々な野菜を切って、ハムととりあえず火にかけておきました。それが除雪が終わる頃、丁度美味しいスープになっていて、温かなスープが身体に染み込んでいきました。う〜〜染み渡る〜〜〜
それにしてもこんな時でも食べることには労をいとわない私って、本当に食いしん坊! 
 この日特急「あずさ」もほとんど止まり、5時間から10時間も遅れ、送電の出来なくなった暗い車内3時間も過ごす人もいたそうですから、暖かなバスの中で一夜を明かして良かったかな。