March 2008
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Mar 30, 2008
Mar 30, 2008
奈良2日目 斑鳩の里
今日はいつ降り出してもおかしくないお天気に、どこへ行くか迷いましたが、近場の斑鳩の里に行ってみることに。法隆寺は行っていますが、その周りはまだ未見です。
この辺りは近鉄線では行きにくいところで、今日はこれもフリーで乗れる奈良バスで行くことに。
「奈良・西の京・斑鳩回遊ライン」というバスが走っています。バスの色も柄も特徴的で[
正岡子規が詠んだ句『柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺』にちなんだ柿色のボディに、斑鳩三塔のシルエットと奈良公園を連想させる若草色を背景に群れ遊ぶ鹿を配した」となっています。一時間に一本のバスですから乗り遅れないように。私たちは終点・法隆寺駅まで行かずに、法起寺前で降ります。
法起寺は小さなお寺で、聖徳太子が建立した7寺の一つで、ここにある塔は、現存最古の三重塔で、創建は慶雲3年(708)だそうです。少し離れたところから撮った姿が有名です。雨が降り出したので、写真を撮るのもレンズを拭きふきです。
次は法輪寺に向かいます。こちらは桜が満開で、遠くからも桜が溢れて見えます。こちらの三重塔も日本最古といわれていましたが、落雷で喪失して、再建されたものです。素晴らしい桜が優しく包み込むように咲いています。また、ここに詳しい方のお話しでは、この桜と、塔の横に咲くピンクの椿が同時に咲いたのは10年ぶりだとか。いつもは必ずずれて咲くそうです。
雨にうたれながらシャッターを押していると、ウグイスがうるさいほど耳元で鳴きます。
今日はゆっくりと出てきたので、3カ所目の法隆寺に着いた頃はすっかりお腹もぺこぺこ。夢殿だけ見て、まずはお昼を食べてから、ゆっくりと法隆寺を参拝します。イカルという鳥の名に由来を持つ斑鳩(いかるが)の地に建てた斑鳩寺が法隆寺の始まりです。我が家で毎日沢山の餌を食べていくイカルが、かってはこの地に沢山飛んでいたのでしょうか。今日見かけた鳥はウグイスとセキレイとサギでしたが。
再び法隆寺から例のバスに乗って戻りますが、帰りは薬師寺で降りて、春の特別公開・玄奘三蔵院伽藍・
大唐西域壁画殿(平山郁夫画伯筆)を見て帰ります。金堂の薬師三尊像のうち、月光菩薩さんと日光菩薩さんは今、東京の国立美術館に出張中でお留守です。代わりに写真のお姿でした。でも何故か拝観料は変わらす、玄奘三蔵院伽藍が公開中なので、むしろ高くなっていました。でも私たちは、直ぐ近くに「平山郁夫シルクロード美術館」があるので、期待していたほどの感激はなく終わりました。むしろ、いつもの楽しい法話を娘に聞かせたかったのですが、今日は時間的に終わっていました。
この後唐招提寺から西大寺まで歩く予定でしたが、雨足が強くなったので、近鉄線に乗って、今日のホテルのある奈良駅へと戻りました。
Mar 29, 2008
奈良1日目 いにしえの路
朝、夜行バスで京都に着き、娘と合流。
京都に降り立つと、お天気はまあまあ良いのですが、気温は低く、これでは桜もまだ開かない(ネットで調べてきたところによるとどこもまだ蕾)だろうと、桜は諦めて近鉄・世界遺産フリー切符を買い、まずは飛鳥駅へ向かいます。ところがどうでしょう、車窓から見える桜は綺麗に咲いているではありませんか。嬉しい誤算です。
飛鳥駅からは明日香めぐりバスを高松塚古墳まで乗り、古墳から橘寺、岡寺、石舞台へと歩きました。これで3度目の明日香ですが、何度来ても良い道です。橘寺と岡寺は初めてです。
高松塚古墳から橘寺までの道は以前にも歩きましたが、夕暮れで時間切れとなり、橘寺まで到達しなかったのです。前はみかんの白い花が咲いて、良い香りが漂う道でしたが、今日は道のあちらこちらでみかんや
ハッサク、苺が無人で売られています。勿論素通りするわけもなく、早速苺を買い、直ぐに食べましたが、冷たくて甘くていい香りです。近くではウグイスがいい声で鳴いています。
道々の桜は2分咲から8分咲、満開に近いものまであり、なだらかな丘陵と美しい瓦屋根が寄り添う家並みにピンクの桜と菜の花が色を添えています。古墳からのんびり歩くこと40分で咲き始めたばかりの桜に
囲まれた橘寺が見えていきました。聖徳太子生誕の地として知られていますが、不老長寿の薬を求め、海を渡り種を持ち帰り、その種をまくと芽が出たのが橘(みかんの原種)であったそうな。それでこの辺りはみかんの木が多いのですね。
岡寺は山門をくぐってから民宿やお茶屋さんの並ぶ道を登っていくと、朱塗りの三重宝塔が見えてきて、こちらも桜がお出迎え。も う五分咲でしょうか。岡寺は明日香村の東、岡山の中腹にあることからの名前で、正式には東光山 真珠院 龍蓋寺というそうです。山の中腹らしく小さな流れのある山道に沿って石塔やるり井(井戸)、彌勒堂等があり、 流れの縁を見るとピンクの猩々袴が咲いています。「あっ、青い鳥!」と私が声を上げると、すかさず主人が「ルリビタキだ」と。この辺り一面シャクナゲで覆われており、是非今度はシャクナゲの時期に来たいものです。遊歩道を一周すると高いところからは二上山を見渡すことも、境内を一望することもできます。今 は紅白の椿も咲き、色鮮やかです。飛鳥が初めての娘にはどうしても石舞台は見せなくてはと最後に石舞台まで歩き、お花見と観光で賑わう中、ぐるりと一回り。観光地化しているものの、中にも入れる石舞台を見ると、見事なバランスで石と石が作る空間に何故か古代のロマンを感じるのです。
ここを出ると、丁度櫻井駅南口行きのバスが来ました。これに乗って、次は山の辺の道の入り口、櫻井へとむかいます。
さて山の辺の道は初めてのところです。そして私のたっての希望です。駅の案内で地図を貰い歩き始めますが、初めは街中を歩くので、飛鳥で疲れた二人はちょっとへこたれています。お昼も食べたし、岡寺のお茶屋さんで葛きりやにゅーめんも食べたばかりですが、ここは馬にニンジンです。コンビニに入り、好きなおやつを買うしかなさそうです。やがて車は通れない細い道となり、金屋の石仏のところに綺麗な桜が咲き、ベンチもありました。この桜の元でおやつです。おやつの力は凄いもの、それにここからは開基を聖徳太子と伝え、「永遠の平和」を祈願する霊場(大三輪寺)として創建された平等寺や稲荷社、大神神社と続き、他二人も結構興味深く歩き始めました。三輪駅から入る人が多いようで、初めは閑散としていた山の辺の道もこの辺りまで来ると結構なにぎわいです。日本最古といわれている大神神社(三輪明神)は屋根の曲線が素晴らしく、しばし見とれてしまいます。本殿 は設けず拝殿の奥にある三ツ鳥居を通し、三輪山を拝するという、原初の神祀りの様が伝えられているそうです。
さらに進むと若宮社が有り、更に久延彦神社(くえひこじんじゃ)があります。「知恵の神社」と聞いては行かなくてはなりません。竹林の中の薄暗い石段を登ると神社は明るく、見晴らしが良い神社です。でも更に登ると見晴らし台があり、そこからは大和平野を一望でき、その向こうには右の左金剛山〜二上山まで見えます。振り返ると直ぐそこに、ご神体である三輪山(467m)がせまっています。
ここから「病気平癒・身体健康の神様」 である狭井神社(さいじんじゃ)へ。ここには古くから知られる薬井戸が有り、多くの人が水をくみに来るようですが、ボタンを押すと出るようになっているには驚き。また大神神社と狭井神社で行われる鎮花(はなしずめ)祭は、疫病を防ぐ祭で、春に花が飛び散る時に疫神が分散して病を運ぶので、それ鎮圧するためだそうですが、何だか現代の花粉症を予告していような気がしてなりません。
さー、今日も良く歩きました。 平和を祈願し、知恵を頂きましたが、何よりも健康が一番です。最後に狭井神社で健康を祈願して今日の旅を終えます。
今度はシャクナゲの時期にきて、三輪山にも登ってみたいです。
今夜のホテルは奈良新大宮駅近くです。ホテルにて
Mar 27, 2008
Mar 26, 2008
片田 好美 水彩画展 森と生きる
2008年4月1日〜7月31日まで八ヶ岳美術館で開催されます。
1996年に病を得、寝たり起きたりの生活の中で、慰めは窓辺の小鳥たちでした。
本格的に蓼科に居を移して暮らし始めたのは2000年のこと。
元気になった今、蓼科でその小鳥や動物たちの命を描き、森の大切さを伝えることで、自分を支えてくれた彼らに恩返しをしたい。それが私の願いです。
私の絵に動物たちを包む光、風、香り、さえずりを感じていただけたら幸いです。
とても優しい絵に、きっとみなさんもいやされますよ。
昨日のブログで紹介した「気分は羊」の野村好美さんは片田さんのペンネームです。きっと個展でもこの本を手に入れることが出来ます。
その宣伝の為に昨日のブログを書いたわけではなく、本当に偶然ですが、もしそれで本にも興味を持っていただけたら嬉しいです。
楽しみに余りここに書かないでおきますが、いくつもの顔を持つ、魅力ある方です。
もっと知りたい方は下記にいらしてください。
ギャラリートーク
主要なモチーフである蓼科の動植物に寄せる思い、高原で製作の日々を送る心情を片田さんが八ヶ岳美術館館長を交えて語ります。
Mar 26, 2008
病院の庭
今日は諏訪中央病院まで出かけたので、ついでに庭を一回りしてきました。
先週のボランティアに出られなかったのですが、イルミネーションは綺麗に片付けられ、花壇のあちらこちらから、秋に植えた球根の芽が出ています。
2007年12月12日 寄付された数千個の球根を植えました。
ラベンダーの間にも沢山のチューリップを植えました。植えるところがなくなって、野菜畑にもチューリップをボーダーに。ムスカリも埋め尽くすように植えました。この球根が全部花開いたら、この庭は一体どんなになるのでしょう。楽しみなような、恐いような・・・・。
まだまだ目覚めたばかりの庭ですが、アネモネやクリンソウなどひっそりと咲いていました。
冬の間は勉強会や話し合いが主でしたが、今月から外の作業の開始です。
今日はカメラを持っていなかったので、性能の悪い携帯の写真です。
Mar 25, 2008
Mar 24, 2008
『気分は羊 英国の旅』
昨日、私は青梅線河辺駅まで、鈍行電車で3時間の旅をしました。昼間はあずさの本数が少なく、丁度良い特急がなかったのです。
でも私はこうして列車に揺られる一人旅が結構好きです。ゆっくりと本が読めるし、楽しいこと、懐かしいこと、ゆっくりと考えなければならないことに思いを巡らすことも出来るし、普段の睡眠不足を補うこともできる。
で、家を出る前に本棚の前に立ち、まだ読んでない本、読みかけの本の中から持っていく本を選ぶのですが、今日はすーと
『気分は羊 英国の旅』
に手が伸びました。これは著者・野村好美さんにいただいて、まだ読んでいなかった本なのです。
これは版画家である著者がスケッチブック片手に、英国の田舎道を歩いた時のスケッチと日記・・・ではなく、日本で病気のために身動きのとれないお母様に宛てたレポートです。だからお母様が思い描きやすいように書かれた文章は、読者にとってもそうで、中央線に揺られていた私は、いつの間にか英国のローカル列車に乗り移ってしまったようです。私の周りにはコッツウォルズの風が吹き、窓の外には草原に一輪のポピーが揺らぎ、遠くにはすずかけの道が見えてきました。宿の庭や草原やパブリックフットパスに現れる動物の描写も細やかで、そこにある花や木々も鮮明に脳裏に浮かび上がってきます。
長閑な風が伝わってくるスケッチやイラスト、そして自然体な文章。これから病に伏す人を見舞う私の心をどれだけ救ってくれたことでしょう。それが伝わったのでしょうか、病人さんもとても喜んで、沢山お話をしてくれました。
何時か英国を旅する機会に恵まれたら、私もパブリックフットパスをゆっくりと歩いてみたい。そんな旅をしたい。
雨も上がって、青空も見えてきた。 今日は夕方までに京都に戻るので、余り時間がない。長谷寺にするか、まだいったことのない當麻寺にするか迷ったが、結局新規開拓で當麻寺に。
ところが思った以上にローカルで、行くのに時間がかかりました。
南大阪線各駅停車で着いた当麻寺駅を降りて、草餅で有名なお店を右に曲がり、あとは一直線に二上山麓のこんもりとした麻呂子山に向かうと當麻寺があります。山門までの道は、新旧の家が入り交じっているものの、奈良のどこも町もそうであるように、家の周りも町並みも整然としています。そしてみんな家が立派。新築でも古い家にこだわった作りが多いですね。
さて、 花のお寺として有名で、いつか来たいと思っていた當麻寺に到着。仁王門では髭を蓄えた(これも珍しいらしい)仁王様にむかえられる。そこからは広々とした空間の左右に名園を持つ塔頭寺が並び、それぞれに拝観料がかかる。左右の庭園で呼び込みのようなことも見受けられる。取り合えず左手の東塔、西塔を撮りながら本堂へと向かい参拝。お寺の方がカメラを持っているのを見て、 本堂裏手の西南院に行くと、當麻寺の東西両塔(三重塔)が同時に眺められますよと教えてくれる。それにつられて、大事な曼荼羅を見るのを忘れて西南院へ。これから咲くぼんたん園を見ながら奥の展望台へ行くと、両塔が見えました。双 塔が創建時のまま揃うのはここが全国唯一です。次に東塔の下に名園が広がる中之坊に入り、丘の上の東塔を桜越しに見上げるように眺めながら歩きました。
まだまだこの近辺をゆっくりと見たいのですが、今回の奈良の旅はここで終わりです。次に期待を残し、『中将堂本舗』さんの「中将餅(ちゅじょうもち)」を買って、ギリギリセーフで電車に乗り込みました。一路京都へ。