八ヶ岳 「ペンションあるびおん」の日々 : 過去ログ : 2012-06-28

Jun 28, 2012

栄村 津南へ

 今日は栄村と津南町へ行きました。諏訪中グリーンボランティアとしての、長野県北部地震被災地への支援活動です。7時に茅野へ集合して、マイクロバスに16人+運転手さん1名+苗・種とでいっぱいいっぱいで出発です。梅雨時のこと、雨が降らなくて本当に良かったです。
 まず着いた栄村・森宮野原駅ではNPO「結い」の相沢博文さんの出迎えを受け、ここで支援金をお渡しして、バスで横倉のコスモス畑予定地へと向かいました。すでに開墾してあり、種を蒔くだけだったのであっというまに終わってしまい、申し訳ないくらいでした。結いの方々は、支援金を受け取るだけでは申し訳ないので、コスモス畑という形でも残そうと 考えてくださったのかもしれませんが、今の栄村にはそのような手間暇をかけるようなことは避けようと考え、花壇ではなく支援金という形でと思ったのですが、結果お手間をかけてしまったようで、少し心苦しい思いがしました。でも今は撒いたコスモスが綺麗に咲いて、道行く人が少しでも心癒されることを願っています。この様子が結いのブログにのっています。
  国道でも、コスモス畑の横でも復興工事が至るところで行われています。雪深いこの地方では、工事の出来る期間が短いので、復興もなかなか進まないこと、小さな集落から更に人が減り限界集落になっていくこと等の村の持つ苦悩を、仮設住宅の前でお聞きしました。

 栄村を後にして津南町に向かいます。約20分くらいで着きますが、県は長野県から新潟県へと入ります。こちらは4月にオープンしたばかりの老人ホームの花壇を作ります。建物の回りはほとんどがコンクリートで覆われて駐車場などになっています。地域柄の敷地の外には田園風景も緑も広がっていますが、、やはり身近にお花や緑があったら、入居者も家族の方も、スタッフの方も少し心が和らぐのではないでしょうか。そんな「癒しの花壇」にしたいと思いやってきました。
  先日の下見の時には、約200平方メートルの四角い枠の中に土が入っている状態でした。でもその中に車いすでも入れるコンクリートの通路が欲しいとお願いして、こちらの設計図に基づいて、緩やかにカーブする道を、施設側に作っておいてもらいました。施設長さんのご挨拶の後、草も少し生えはじめていますので、まずは草取りからはじめます。

 どこに何を植えるかを考え、苗を買ったり、中央病院から株分けしてきたり、津南の知り合いから持って来て貰ったしたものを車から降ろして、いよいよ庭造りです。
 コンクリートの道から歩いて入れる道をウッドチップを敷いて作りました。そしてラベンダーを植える部分は土を盛り上げて小高くしました。ここまででお昼にしました。あらかじめ龍ヶ窪温泉の食堂にお弁当を頼んでおき、それを涌井さんが運んでくれました。研修室を貸していただき、クーラーの効いたお部屋でお昼を頂くことが出来ました。感謝。
 さて休憩もそこそこに午後の植え込み作業です。ウッドチップの道が出来、緑が加わっていくと段々花壇らしくなってきました。道に沿ってタイムを植えます。やがて広がって、歩くたびに香りが立つことでしょう。ハーブティーに使えるハーブは、直ぐわかるようにまとめて植えました。苺の苗も植えました。実が出来たらどなたでもとって食べられるように。一部分は種まき名人がワイルドフラワーの種を蒔きました。やがて白や青や黄色のお花が風にそよぐようになりますように。

 今日は一応設計図にある程度はのっとて植え込みをしますが、いつもの作業のようにみんな自主的に出来ることをしています。植え込んだところへせっせと水を撒く人。ウッドチップを敷く人。穴を掘る人、地ならしする人。色々な名人がいるこの仲間は、本当にすごいと思います。コンクリートと花壇の境目に、先程からコツコツとそこいらにある石を並べている人がいます。土の中から出てきた石で、不揃いで決して綺麗な石でないけれど、でも石があるとないとでは大違い。それで最後の仕上げは、みんなで石を並べはじめました。  さー一応完成です。


 通路の膨らんだところは、車いすがすれ違ったり、ベンチをおいていただいても良いと思います。本当はここに木を植えて木陰を作りたかったのですが、豪雪地帯で木は雪の重みで枝が折れてしまうので植えられないといわれました。残念ですが、地元方の経験ですから仕方ありません。でも出来上がってみれば、諏訪中央病院の庭を切り取ったような・・・ミニミニ版のような感じですね。
 さて今日はこの庭の一歩です。どんな庭に育っていくでしょうか?お天気が良く、作業には助かりましたが、帰りのバスの中では、苗がしっかり根付くよう雨乞いです。ホースが短く、水圧も低く、思うぞそんぶん水が撒けなかったので、一日も早く雨が降ることを願っているのです。みんな我が子をおいてきた母親の気分のようです。今年は咲かないアナベルなどもありますが「庭は時間が造るもの」ですから、しばらく待ってください。
 このような施設や病院などにとって、庭が、草花がどれほど大切なものかが少しでも伝わったら嬉しいのですが、そんな癒しのハーブガーデンになーーれ!!