塩尻にただ一軒だけの残っている映画館。それが塩尻劇場 東座です。ここで育った合木こずえさんが、1995年に17年間暮らした東京から実家の劇場「東座」に戻り、「FROM EAST上映会」を始めました。 「長野県内の映画館では、メイジャー作品しか上映されず、私が愛するパトリス・ルコントもケン・ローチもマイク・リー作品も観られません。 だから自分で大好きな映画をかけようと決めたわけです。」昼間は興行があるので、FROM EAST上映会は毎月1週間のみ。これが毎回映画好きにはたまらない映画、懐かしい映画が上映されるとペンション風路さんに聞いていました。11月にはここで「白磁の人」を見たのがきっかけで、今回も風路さんに誘ってもらいました。
フランス・マルセイユの港町を舞台に、フランスの文豪ヴィクトル・ユーゴーの長編詩をモチーフに作られた映画で、人に対する思いやりや助け合いの精神の重要さを描いた心温まる映画です。失業、貧困という問題の中で繰り広げられる物語ですが、マルセイユという明るい陽光の中で、じめっとならず心地よくドラマが展開していきます。見終わったときに爽やかな心地よさが広がる映画でした。これからの『星の旅人たち』『屋根裏部屋のマリア達』もみたいし、また誘ってね、風路さん。