ウルップソウ

八ヶ岳 硫黄岳

チョウノスケソウ
2006.07.04(火)

 7月初旬、良いお天気に誘われ八ヶ岳に登りました。桜台に車を置き、夏沢鉱泉、夏沢峠あたりまで行く予定でしたが、夏沢鉱泉で「硫黄岳山荘まで行けばウルップソウやコマクサ、ツクモグサが見られるよ。こんな天気だから是非いっておいで」と言われ直ぐのそ
ゴゼンタチバナ
の気に。オーレン小屋から夏沢峠を経て硫黄岳(2760m)に登り、山頂を越えて硫黄岳山荘までの往復となりました。
 駐車場のある桜台では、まずはオオルリ(参考写真)
ミヤマカラマツ
お出迎え。近くに姿を現し綺麗な声で鳴いていました。今日は重たい鳥用のレンズは持っていません。写真がないので参考写真をご覧下さいね。5月の日照不足や低温による花の開花の遅れがあると思っていたのですが、八ヶ岳は意外なことに例年通り沢山の高山植物が咲いていました。桜台からの歩き始め(9:35)ではオサバ
イワカガミ
グサ、マイズルソウ、ミヤマカラマツソウ、ゴゼンタチバナなどの白い花やキバナコマノツ
コミヤマカタバミ
メが群生しています。夏沢の渓流の音を聞きながら進むとイワカガミやコミヤマカタバミが姿を見せるようになり、オーレン小屋の手前から硫黄岳が見るようになりオーレン小屋から右に行くと赤石の頭経由で硫黄岳に行きますが、私たちは直進して夏沢峠経由で登ります。やがて正面に硫黄岳が迫って見えてきます。(11:26) 
夏沢峠 本沢温泉や根石岳への分かれ道


 シラビソの美林を登ること40分で夏沢峠(12:08)です。夏沢ヒュッテと山びこ荘の間を抜けると左側が大きく崩壊した道となります。ここは道の右側にコケ
イワウメ
モモがずっと続いて咲いています。そして道はまた林の中になり、やがて岩礫となりジグザグの登りはきつくなります。でもこの辺りからは右を見ても左を見ても、岩にはイワウメやイワヒゲが張り付いたよ
ツガザクラ
うに咲き、岩の間からはツガザクラやコイワカガミが色を添え、足下にはイワツメクサが繊細な葉や花を見せ、やがてミヤマシオガマやハクサンイチゲ、ミヤマ
ミヤマシオガマ
シナノキンバイ
イワツメクサ
キンバイ、オヤマノエンドウなどのお花畑が息を切らしながら登ってきた私たちを迎えてくれます。右手遠くに目をやれば諏訪の町の中に鏡のように諏訪湖が光っています。左はるか下には野菜畑が広がっています。(13:05)まだ梅雨明けもしていないこの時期にこの眺望とは恵まれています。

 さー大きなケルンの間をもう一登りで硫黄岳山頂です。岩礫と岩礫が重なり合って、安定しないところもありマークもハッキリとしない。どこでも登れそうなだけに、視界の悪いときには迷いそうな気がします。やがて左手には爆裂火口が大きく大きく口を開けています。山頂から噴火口(本沢温泉近く)までの比高は550mを超えるそうです。この辺りから運動不足が祟って足が重くなりますが「ウルップソウ!コマクサ!ツクモグサ!」を唱え前へ進みます
 やっと山頂に着きました。(13:36)写真を撮りながら登ってきたので、桜台らから4時間です。稜線を辿れば横岳、赤岳〜阿弥陀岳まで見えます。赤岳にはちょっと雲がかかっています。硫黄岳を下った先の大ダルミには硫黄岳山荘の青い屋根と赤い屋根が見えています。あそこまで行けば。「ウルップソウ!ツクモグサ!コマクサ!」に会えるのです。サーもう一頑張り。





 
安定性のない歩きにくい岩場を下り山荘へと向かいます。主人は「ウルップソウ!ツクモグサ!コマクサ!」に心早るのかトットと下っていくのですが、私はこの下りが何ともきつかった!!ロボットのように下っていきました。
ウルップソウ
コマクサ
シロコマクサ
オヤマノエンドウ
ハクサンイチゲ バックは雲のかかった阿弥陀だけ
 硫黄岳山荘(14:00)に近付くにつれウルップソウやコマクサが見られるようになります。ウルップソウはどうにか間に合い、コマクサはまだ蕾のものが多く、山荘の下方で咲いているものをやっと見つけました。硫黄岳山荘でお弁当を広げながら「ツクモグサはどの辺ですか?」と訪ねると、この辺りはもう終わって、今はもっと横岳を登って行かなければダメだといわれました。「えーうっそー!!」と言いたかったけれどこれだけたくさんのお花を見ることが出来たのでやっぱり感謝します。「ツクモグサが今でも咲いているところまでは、ここから往復2時間は掛かる」とのことに残念ながら諦めました。でもチョウノスケソウならまだちょっと先に行けば咲いていると聞きそれを探しに歩きましたが、チョウノスケソウがどんな花か良く分からず、小屋の人の説明でも良く分からなくて、
チョウノスケソウ
しばらく歩いて引き返すことにしました。その時チングルマのような群落を見つけたのです。もう時間もないのであわててそれをカメラに収め帰ってきたのでしたが、なんとそれがチョウノスケソウでした。ラッキー!こうしてチョウノスケソウにもどうにか間に合いました。明日の予定が無ければ、ここに1泊して赤岳まで縦走したい気分です。でも今日は帰ります。


 さて、もうすぐ15時です。いくら日が長いとはいえ急いで下ります。山頂から大ダルミへ下るのがあんなに辛かったのに、山頂への登りは何だか調子が出てきました。張り切って下った主人の方がちょっとばててるかな?無理をしないで休み休み行きましょう。いざとなれば途中に山小屋も有るし・・・
左の写真は、ちょっとガスがかかってきましたが、帰りの山頂からの根石岳や天狗岳方面の景色です。今日は夕立も雷雨の心配もなさそうです。もうここからは下る一方。今日は下りもお花の咲いている夏沢峠コースをとります。登りではあんなに目に飛び込んできた花々ですが、下るときには視線が上の方で目に入らないものです。やっぱり先を急がず写真は登りに撮るべきですね。


 帰路は野鳥の声を聞きながらバードウォッチングです。林の中ではキクイタダキ ルリビタキ(冬は小淵沢付近にいますが、この時期は高山に来ています)、ヒガラ(参考写真)なども見ることが出来ました。姿は見えないけれどコマドリの綺麗な声も聞こえました。
 下り一方も膝がくたびれるもので、それでも何とか17時51分に桜台に着きました。朝はいっぱいだた車ももう一台もありません。有るのは私たちの車のみ。もっとも私たちはここから1時間もかからず家に着きますが、みなさんは遠くまで帰られるのですよね、きっと。
 さて来年は必ずツクモグサの咲く6月に登って、花のアルバムにくわえましょう。今日のコースは山頂付近で岩礫帯があるものの、大きな岩を登ったり、危険箇所があまりなく、八ヶ岳のお花を楽しのにはいいコースです。ただなだらかな山頂の硫黄岳に霧がかかるとコースを間違えやすいので気をつけてください。

今日の花のアルバム


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