ペンション あるびおん

八ヶ岳 小淵沢の小さな宿に宿泊して、静かな時間と体に優しいお料理をお楽しみください。

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〒408-0041 山梨県北杜市小淵沢町上笹尾3332-1157

追悼 高倉健さん

追悼 高倉健さん

  高倉健さんが大好きだった

    都忘れの花

 京都旅行をしていた私たちは、大原で高倉健さんの訃報を知りました。
高倉健さんには、1995年1月31日に、全くのプライベートでお泊まりいただきました。
前日の突然の電話での4名様の予約。予約をされた方が最後に「高倉健さんも一緒です。六甲の水を用意しておいてください」と言われ、「ハイ」とお返事して電話を置いたものの、改めて「確かに、高倉健さんと言われたけれど・・・それだけで分かる人は、あの有名な高倉健さんしかいなわよね?」と主人に言うと、「聞き間違いだよ。高倉健司とか言ったんじゃないの?」「いいえ、確かに高倉健さんって」・・・・・

 翌日パジェロが止まり、そこから颯爽と降りていらしたのは、紛れもなく名優・高倉健さんでした。
無口で、気むずかしい方かと思っていましたが、ペンションにいる間、健さんが皆さんをとりまとめるように取り仕切って、注文やお支払いも健さん自らなさるのには驚きました。
その日は主人に予定があって、わが家はお休みにしていましたので、偶然貸しきり状態になり、奥のプレイルームでは4人の皆さんでゆっくりくつろいで、ストレッチされたりしてお過ごしでした。お食事も綺麗に召し上がっていただき、ホッと1日目が過ぎました。

 翌朝は私たちもやっと緊張の糸がほぐれ、それを健さんも感じられたのか、とても饒舌に色々なお話しをしてくださいました。いつも過酷な撮影の映画が多く、その苦労話やエピソード、この時の4人のお仲間が30年来のお友だちであること、この時は善光寺さんの帰りでした、その善光寺さんとの関わりなど。
でも、どんなにリラックスされていても格好良く、台詞を聞いているかのような素敵な声、うっとりとお話しを聞いていたら、気がつけば時間はとおにお昼となっていました。
そして「さー一緒に写真を撮りましょう」と言ってくださり、室内だけでなく外まで出て、八ヶ岳がバックがいいねとアングルも決めて下さり、記念写真を何枚も撮ってくださいました。
これもみんな健さんの気遣いなんですね。
ロケ先や撮影現場だけでなく、こうしたプライベートな時間でも、健さんは周りの人に気遣い、俳優としてのサービスを忘れないかただったのです。
「映画は自分の全てです」という言葉通り、公もプライベートもなく俳優・高倉健の方でした。
最後に耳元で「奥さんがお料理全部作っているの?ビーフシチューも凄く美味しかったよ」と言われた声が、今も耳に残っています。いただいた健さんのシルエットのピンブローチも大切な宝物です。
たった1度だけの出会いでしたが、私たちの人生のなかの最高の一期一会でした。
高倉健さん、素敵な時間をありがとうございました。素敵な思い出をありがとうございました。合掌

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